2.東京海上日動ビル

東京海上ビルディング

東京海上ビル

曽禰達蔵の設計により、1918年(大正7年)2月に完成した7階建ての鉄筋コンクリートによる効率性重視のアメリカ式オフィスビル。建物の名称に“ビルディング”とつけたのは、同建物が日本で最初とされる。1930年(昭和5年)には「東京海上ビルディング新館」も完成する。明治時代までは、赤煉瓦の建物が丸の内ビジネスセンターの象徴でもあり「一丁倫敦(ロンドン)」ともいわれたが、この海上ビルディングをはじめ、丸の内ビルヂング、日本郵船ビルなど、アメリカ式のオフィスが行幸通り沿いに建ち並び、「一丁紐育(ニューヨーク)」といわれるようになる。装飾性の高いヨーロッパ式の赤煉瓦づくりのビルから鉄筋コンクリートによるフロア重視のアメリカ式のオフィスビルへの転換は、そのままビジネスのスタイルが、ヨーロピアンスタイルから、より合理的なアメリカンスタイルへと変わっていったことを意味している。